Project

医療現場には、生理データ、血液データ、CT画像データなど、数値化及び可視化された情報が溢れている。迅速性が求められる救命現場では、これらの情報を長時間かけて把握する余裕はない。実際に膨大なデータに埋もれて重要所見に辿り着けず、救命できないことが頻回にある。AIをはじめとする技術の力で情報を適切に整理することで、診断の遅れや見落としが原因で起きる死をなくし、いつどこの病院に運ばれても命が助かる未来を作る。この一歩目として、現場データの中で解釈に最も時間がかかり、見逃しが多いCT画像について、効率的な診断を実現するためのAI及び表示技術の開発を進めている。

救急外傷全身CT重症度評価装置

救急の中でも最も緊急性の高い疾患の一つである外傷の診療において、救命医が多大なる労力と時間を割いている全身CT診断をAIで補助する「重症度評価装置」を開発している。現役の救命医で医療AI開発が専門の代表と、AI開発と実装経験があるプロジェクトメンバーが、現場の医師とともに複数臓器の評価モデルを開発している。開発と並行して現場で試用することで常にフィードバックを得て、現場に最適な実装を最速で進めている。

COVID-19診断AIモデル

COVID-19感染患者を正確かつ素早くトリアージするためのCT画像を用いたCOVID-19診断AIモデルを開発している。2020年度、内閣官房COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクトにおいて、日本の臨床現場での使用に耐えうるAIが学習すべき日本の症例データを明らかにし、これを収集する枠組みを構築した。日本救急医学会のバックアップのもと国内13の医療機関から4000症例以上(現在も収集データ数増加中)の患者データを収集した。現在収集した国内症例を使ったAIモデルの開発および医療現場に対する実装を進めている。

画像診断 AI 開発支援システム

画像診断AI開発の最大の難所は学習用データセットの作成である。学習用データセットにはDICOM画像と画像診断レポートが用いられるが、これらのデータはそれぞれ形式が統一されていないことが多い。両者を標準化し対応関係をつけることで、信頼性の高い学習用データセットを半自動で作成するシステムを開発している。現在本システムを用いた臨床現場の医師との共同研究を通して、非AIエンジニアの医療者でも画像診断AI開発が可能になるよう改善を進めている。